2024.07.03 [ ブログ ]
サステイナブルな内装材って何があるの?
近年、環境への配慮がますます重要視され、サステイナビリティがあらゆる業界において注目されています。
その中でも、店舗デザインにおけるサステイナブルな内装材料の利用は、環境負荷の削減だけでなく、お客様の関心を引く重要な要素のひとつになってきています。
このコラムでは、サステイナブルな内装材料に焦点を当て、その利点や最新のトレンドについて探っていきます。
目次
■サステイナブルってそもそも、どういう意味?
「サステイナブル」とは、直訳すると【持続可能な】という意味の言葉です。
考え方としては「自然環境や社会、健康、経済などが、現在の人々や将来の世代にわたって、環境や社会、経済などの課題を解決しながら、現在の価値を失うことなく続くことを目指す考え方」を指します。
「サステイナブルな内装材」とは、持続可能な環境への配慮を重視した建築内装材のことを指します。
店舗デザインでも、サステイナビリティに配慮した内装材を多く使用することで、これら環境や社会問題に配慮した店舗経営を行っているアピールができ、店舗や運営企業全体のイメージアップにつながる可能性が高いです。
■サステイナブルな内装材
サステイナビリティに配慮した建材は、リサイクル性の高いもの、環境にやさしい素材、省エネルギー性、製品寿命が長いもの、メンテナンス性が良いもの等の特徴があります。
価格は通常の建材・内装材より高いこともありますが、建物の価値が高まることや、環境負荷軽減や社会への貢献を考えて採用していく方も増えてきており、トレンドとなっています。
「サステイナブルな建材」は数多くありますが、以下にいくつかピックアップしてご紹介します。
1.古材
今も昔も定番の素材「木材」ですが、古い住宅を解体した際に出る柱や梁、建築現場で使用していた足場板などを「古材」として再利用する例が増えています。
経年の風合いがとてもいい味になり、イメージもかなり良いものが多いです。
サイズや色味が不ぞろいな場合も味のひとつとして活かしたデザインにすると、古材の良さが映えるでしょう。
店舗デザインとして内装に使用する際、古材、新材に限らず木材については、消防法の内装制限を受ける場合があります。
この内装制限に関しては、また別の記事でご紹介しますが、一定の量を越えて使用する際「不燃加工」を施した材料を使用する必要が出る場合があるのです。
他の内装材にも言えることですが、不燃認定材料使用の必要性について、テナントの法的な適用状況にもよるため、テナントの大家さん側・設計の方と事前に打ち合わせておくとよいです。
●国内最大級の古材取扱「古材日和グループ」
2.自然素材の壁紙
日本における壁紙(クロス)の90%以上は一般的な塩化ビニル樹脂素材を主原料とするものが占めています(日本壁装協会HPより)。
一般的なクロスの利点は、デザインの豊富さと施工・取扱いのしやすさ、安価なものが多いことですが、一方で、塩化ビニル樹脂の裏に基盤となる紙材を貼り合わせた製品のため、リサイクルがしにくい素材でもあります。
それに対し環境に配慮した、自然素材を用いた壁紙も各メーカーが取扱いしています。
珪藻土を壁紙素材に仕上げたもの、火山灰由来のシラス台地から採取したシラスを織り込んだもの、ウッドチップやもみ殻を織り込んだもの、リネンやコットン繊維を取り込んだもの等、色々なクロスがありますが、どれも自然な素材感が活きたやさしい雰囲気のものが多いです。
注意点としては、自然素材ゆえにデザインや色がかなり限定されてしまうこと、不燃認定がされていない素材もあること、価格が一般的なクロスに比べて高い傾向にあります。
●自然素材「珪藻土」を用いた壁紙の一例 「珪藻土壁紙(株式会社サンゲツ)」
https://www.sangetsu.co.jp/pickup/shitsurahi21/tsuchi/
3.再生素材を含む内装ボード
再生素材を活用した内装ボードとして、使用済みの石炭灰やコーヒーの豆かす・再生紙利用困難な古紙等を原料に織り込んだもの、回収した古着をリサイクルして織り込んだもの、天然鉱物や珪藻土を配合したもの等があります。
例えば、コーヒー豆かすを利用した内装ボード「SOLIDO(ケイミュー株式会社)」
https://www.kmew.co.jp/shouhin/solido/は、コンクリート調の雰囲気でありながら、織り込まれた自然素材の風合いも活きています。
一枚ごとに自然で微妙な色ムラがあるのもよく、このボードで仕上げた空間はとてもおしゃれな雰囲気になります。エコでありながらかっこいい、という点が良いですよね。
また別の商品例として、古着を90%以上使用した内装ボード「PANECO(株式会社ワークスタジオ)」https://paneco.tokyo/の場合、繊維でありながら木工ボードのような耐久性・加工性を持ち、見た目もまるで石目のような雰囲気で、これを用いた什器や内装材もやはりおしゃれです。
内装材としての採用にあたって、やはりネックになるのは価格が高価な傾向である点ですが、実際のサンプルを設計側から取り寄せてもらい、質感と全体の見積もりとのバランスを見ながら検討していくと良いでしょう。
4.リサイクルガラス
LEDが主流になってきた照明器具ですが、従来の使用済み蛍光灯は、現在埋め立て処分されています。ただ、中に含まれた水銀で、土壌が汚染されてしまうことが問題でした。
これを解消できるよう、脱水銀化処理を行った廃蛍光灯のガラスを用いて、新たにガラスブロックやテーブルの天板として再利用されているものがあります。
商品例ですが、株式会社サワヤ スタジオリライトさんhttps://www.studiorelight.com/のオーダーメイドのリサイクルガラスは、デザイン性の高いものを多数製作されています。
単にリサイクルした製品というだけではなく、とても素敵な表情のガラスが多数あります。店舗イメージアップに役立てられる素材として活かすことができるでしょう。
5.その他自然素材の建材
従来使用されてきた建材には、古材の他にも自然素材のものがありますが、中でもデザイン性を高めて現在の店舗内装にもマッチさせたり、従来廃棄していた素材をリサイクルして新しい建材に作り直したもの等があります。
例えば、伝統的に用いられてきた「すだれ」ですが、程よい透け感が光や風を通し、間仕切りとしても丁度良い素材でもあります。
株式会社鹿田産業の「すだれスクリーン四季彩」https://shikada.co.jp/product/shikisaiは、ロールスクリーンのような取扱いのしやすさ、防炎加工など、店舗で扱いやすいものを多く取り揃えています。すだれの生地のみを大判の素材として、膜状に大胆にデザインできるものもあり、和モダンでおしゃれな店舗の雰囲気を醸し出すのに重宝する素材例です。
また、廃棄素材をリサイクルして建材に仕立て直したものの例としては、「Eco Kawara(翔飛工業株式会社)」https://ecokawara.com/?gad_source=1&gclid=Cj0KCQjw_-GxBhC1ARIsADGgDjsvUeBN-iDDwhM_FF_DPdsCBxPfqocJ2B0rfJPHjmvZq4WanprPYV8aAg9EEALw_wcBの舗装材・床材があります。
天災などで割れて使用できなくなった廃瓦を砕き、素材に混ぜて新しい建材としてリサイクルした製品を作ることができます。
環境に配慮している上、思い入れのある建物の瓦等の一部をリサイクルして作ることもできるので、店舗と地域をつなぐ物語の一端としても一役担うことができるかもしれません。
■まとめ
サステイナブルな内装材料は、環境に対する負荷を軽減し、同時に店舗の魅力を向上させる重要な要素となっています。
これらの材料を使用することで、店舗として環境への貢献を意識していることを示し、顧客の心を掴むことができます。
価格面での課題はあるものの、今後も、より多くの店舗がサステイナブルな内装材料を積極的に取り入れることで、持続可能な未来の実現に向けて一歩進んでいくことでしょう。
株式会社ディックは設計・施工をワンストップで担っているため、施工材料の採用に関する情報や、採用した際のお見積りとのバランスなど、お店造りへのご相談を随時行い、お客様の店舗つくりを真摯にサポートしてまいります。
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