2024.02.15 [ 店舗コラムブログ ]
商業施設に出店するには！
「A工事・B工事・C工事ってなんのこと？」
大型商業施設のテナント工事に関連して「A工事・B工事・C工事」という言葉が出てくることがあります。
これは工事区分を表している言葉ですが、予算に関わってくることもあり、テナント出店において理解を深めておくことは、トラブル予防の上でもとても大切です。
以下、その内容について、詳しくご紹介します。
A工事・B工事・C工事という工事区分
大型商業施設などでは、工事の内容ごとに、誰が発注者で工事費用は誰が負担するのか工事範囲が決められています。
この工事範囲を「工事区分」として表記されるのが「A工事・B工事・C工事」になります。
この区分を理解しておかないと、各担当会社の認識の違いから思わぬ負担金額やトラブルが発生することがあります。
この工事区分は設計図面等の「工事区分表」や「仕上表」に記載されることが多いです。下の表は主な工事区分ですが、ビル・施設ごとに異なるため、認識の違いを避ける上でも出店準備段階で確認しておくことが大切です。
| 工事の発注者 | 工事業者の選定 | 費用負担 | |
| A工事 | 建物オーナー | 建物オーナー | 建物オーナー |
| B工事 | 入居者 | 建物オーナー | 入居者 |
| C工事 | 入居者 | 入居者 | 入居者 |
A工事とは
A工事とは、ビル本体の工事に関係することを指します。オーナーが指定した工事業者が施工し、ビル外装・屋上・通路・階段・エレベーター・防災設備等、建物本体に関するところが工事範囲です。
電気・ガスや給排水設備のうち、建物基幹に関わる部分の工事も含まれます。
工事の発注から工事業者の選定、費用負担まですべて建物オーナーが行う場合の区分を指します。
B工事とは
B工事とは、ビル全体の運営や安全性等に関する設備（電気・空調・ガス・給排水・防災等）のうち、テナント入居者の要望で発生する工事のことを指します。
例として、テナント区画内で店舗のレイアウトに合わせて分電盤・基幹となる照明器具、空調設備・給排水設備・防災設備、インターネット等を工事する等があります。
テナント入居者の要望に合わせて発生する工事のため、発注と工事負担は入居者が行いますが、建物基幹設備と関わる工事のため、工事業者の指定は建物オーナーが行います。
なお、このB工事として行った設備に関しては、建物オーナー側の所有範囲となります。
C工事とは
C工事とは、テナント入居者が借りる区画内の工事のうち、建物基幹に比較的影響を与えないものを指します。
内装工事をはじめ、什器、建物全体に影響を及ぼさない電源・照明・給排水等が主なものです。
計画図を建物オーナー側に提出して承認を受ける必要がありますが、工事の業者選定から発注・費用負担まですべて入居者で行うため、相見積もりをとるなど金額的な交渉も可能で、工事費をコントロールしやすい範囲になります。
このC工事で施工したものに関しては、テナント入居者の所有範囲となります。
B工事についての注意点
B工事は入居者の区画内でも基幹設備に関わる工事のため、建物全体に影響を与えます。
そのため、建物オーナーが業者指定するのは合理的なのですが、工事価格が比較的高額になることが多いです。
B工事の発注と費用負担をおこなうのは入居者ですが、一般的な工事金額で予算をみておくと、出てきた見積金額を見て驚くことになりかねません。
B工事の指定業者と金額交渉するのはかなり難しいため、当初の予算組の段階で余裕をもっておくとよいでしょう。
また、工事範囲の認識が違っていると、トラブルのもとになることがあります。
入居者が「これはA工事の範囲だ」と思っていたら建物オーナー側は「B工事だ（またはC工事だ）」との認識で、入居者がB工事の請求を受けることになり、双方でもめる原因になる例もあります。
こういったトラブルを防ぐためにも、工事区分を確認しておくことは大切なポイントです。
以上、A工事、B工事、C工事の区分についてご説明してきました。
これらの区分内容はあくまで一例です。
実際に契約する物件での工事区分は異なる場合がありますので、上記を参考にした上で事前に確認をしていってください。
区分が複雑でわかりにくいかもしれませんが、このような区分がある建物・施設は、集客力がある魅力的な大規模物件であることが多く、入居するメリットもとても多くあります。
株式会社ディックは、これらの大型商業施設・ショッピングモールで豊富な設計・施工実績があり、申請や図面作成等にも精通しております。
工事区分の確認にも慣れており、お客様の力になれる自信があります。
また、設計・施工をワンストップで担っているため、決定から作図・施工までスピーディにお客様の店舗つくりを真摯にサポートしてまいります。
大型商業施設の出店に興味を持たれましたら、ぜひご一緒に成功を目指しましょう。
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