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2024.04.04 [ 店舗コラムブログ ]

店舗オリジナルの什器製作とは

 

新しく店舗を作るにあたって、店内のカウンターや商品陳列棚、収納什器等、業種によって必要な什器は様々です。

既製品や中古の什器をご用意することも多いと思いますが、店舗に合った雰囲気で統一したものが揃いにくかったり、ピッタリなサイズや機能がなかったりで、なかなか思ったものが揃わないことが多いですね。

そこでその店の雰囲気やサイズ、使う機能に合わせてオリジナルの什器を製作することも選択肢の一つになります。

 

■オリジナル什器製作のメリット・デメリット

 

オリジナル什器を製作するメリットは、店舗に合った色・柄、デザインで製作できること。そしてサイズ・機能的にピッタリのものが造れることです。

また、中古品やリース品ではよくある「長年使用された劣化」が導入時にはないこともオリジナル製作什器の良い点です。レンタル品・リース品では発生する、月々のリース料も必要なくなるのも魅力です。

 

一方、そのデメリットはというと、製作するための初期費用と製作期間が掛かってくることです。打ち合わせ・設計期間・製作期間も含めると、納品まで2週間~数か月必要な場合があり、早めの準備が大切です。

 

お客様の店舗開設のイメージ・予算・スケジュールを考慮の上、選択していくと良いですね。

オリジナル什器を製作することになった場合、メリットを活かせるよう気を付けておくポイントや、素材について解説していきます。

 

 

■オリジナル什器製作前の準備

 

 

●現場寸法


 

什器製作にあたって、大切なのが現場寸法です。

テナントの建築図面上で幅が2000mmだったとしても、建築は人の手によって作られるものだけに、微妙にサイズが違っていることも珍しくありません。

現場の状況や寸法をきちんと把握せずに製作してしまうと「素敵な家具ができた!けどお店に搬入してみたら5mm大きすぎて入らない」なんてことも!

 

同様に、ビル・テナントの場合はエレベーターなどの搬入経路の事前確認もしておかなければ、これまたお店に運び込めない!ことになりかねません。

そんなことにならないために、事前に現場の寸法などをmm単位でしっかり採寸してから製作することが大切です。

 

 

●使用目的の確認


 

もうひとつ大切なのが、什器の運用・使用目的を明確にしておくことです。

・どのような使い方をするのか(店内のレイアウト・動線と合わせて考える)

・展示したり収納したりするもののサイズ感

・どんな方が使うのか(使う方々の身長等)

・どんなデザインが良いか(店舗全体の内装・雰囲気に合わせる)

など、実際に什器設計の前段階で、製作会社と十分に打合せしてイメージや使い勝手をすり合わせしておくことが大切です。店舗のレイアウトは場合によっては営業開始後に変わることもあります。

これらのことを踏まえ、什器設計に慣れた会社と相談していくことをお勧めします。

 

■什器の仕上げ素材について

 

オリジナル什器のメリットのひとつが、お店のトータルなイメージや雰囲気を作りだすことですが、その仕上げについて、一般的なものから高価なものまでご紹介していきます。

 

 

●メラミン化粧板


 

 

樹脂を高温高圧で成型した厚み約1mmの化粧材で、硬くて汚れを落としやすく、天然素材に比べて劣化しにくいメリットがあります。多少の水や油も弾きやすいので、トイレや洗面のカウンター什器にも使用可能です。

そのため店舗、住宅、公共施設、学校関係はじめ、多くの家具で使われています。大手メーカーさんの場合、木目柄や石目柄、単色や機能の違いなどを合わせると、1000以上もの選択肢があります。近年高品質な木目柄などが出ており、ぱっと見では天然木と見分けがつかないものも出てきています。

 

 

●ポリ化粧合板


 

 

厚さ2.5~4mmほどの合板の表面に、木目等の化粧紙を貼り合わせたあとポリエステル樹脂を塗布してフィルムをかけ、さらに樹脂を延ばして硬化させた板です。

正式には「ポリエステル樹脂化粧板」と言いますが、略して「ポリ板」と呼ぶことが多いです。

メラミン化粧板より表面が傷つきやすい面がありますが、やや安価で加工がしやすいこともあり、メラミン化粧板と同柄も一部あるので、部所によってメラミン化粧板と使い分けすることもあります。

 

 

●天然木(無垢板)


 

カウンター天板やテーブル天板を中心として使われる例が多いです。

大判になるほど高価であることと、どうしても天然木は表面の傷がつきやすい点、水・油・汚れのシミがつきやすい点がありますが、天然木ならではの暖かさがあり、経年の傷も味になることから、こだわりの素材といえます。

天然木の性質も、硬くて丈夫だが加工がしにくいものから柔らかく加工しやすいが傷つきやすいもの、色や木目の違い、耐水性や伸縮性、価格帯など様々です。用途に合わせて、選択していくことになります。

 

 

●突板


 

希少価値の高い銘木などの丸太を薄く約0.2~0.6mmほどにスライスし、丈夫な芯材(MDF、集成材、ベニヤなど)の上に貼り付けたもので、天然木化粧合板とも呼ばれます。

天然木のぬくもりや手触りなどの良い点と、合板の反りに強いメリットを持ちながら、価格を抑えることのできる素材です。

一方、表面が薄いため、深い傷がついた場合は芯材が見えてしまうデメリットもあります。

 

 

●集成材


 

家具に使われる造作用集成材は、板材として加工した木材を縦横に繋いだものであり、無垢材に比べて反りにくく、強度にばらつきがない、などのメリットがあります。

家具の下地材に使われることもありますが、天板に塗装加工して使う場合もあります。

天然木に比べ、安価な点も魅力ですが、メラミン化粧板に比べて、あまり柄が選べないデメリットがあります。

 

 

●タイル


 

 

タイルを天板やカウンター腰などに使う例もあります。タイルを使うことにより、家具什器の耐水性や耐熱性、意匠性といった機能を付加することができます。

細かな柄の集積が美しいモザイクタイルや透明感と光の反射が美しいガラスタイルを用いた例では、その美しさから店舗デザインのアイキャッチになることも多いです。

 

 

●左官仕上


 

左官仕上の素材は様々ありますが、代表的な製品で「モールテックス」という素材があります。

塗装ではなく、樹脂でできたモルタルを薄く重ねて左官の技術で練りつけるものです。厚さ約3mmほどですが、コテで仕上げられたごくわずかな凹凸の素材感が二つとない表情と相まって、とても良い雰囲気に仕上がります。

昔からあるモルタル仕上のデメリットであった、クラック(ひび割れ)が少ないのもモールテックスの特徴です。なお、製作価格はメラミン化粧板仕上げに比べると、やや高価な金額になってきます。

 

 

●天然大理石・天然石


 

カウンター天板やテーブルに使用すると、とても美しく高級感のある素材が天然大理石や天然石です。色や模様、磨きをかけた場合のツヤなど天然が持つ素材の魅力があります。

非常に重くなるため、重厚感を醸し出す一方、搬入や什器設置に注意が必要です。また、天然大理石は水分が吸収されやすいことや、酸で変色する性質があるため、キッチンの天板や屋外に設置する什器には向いていません。

 

 

●人工大理石


 

 

天然大理石では作るのが難しい曲面のあるキッチンや洗面台、テーブル等の天板製作によく使われるのが、人工大理石です。天然ものより低価格で作れるのも魅力です。

主にポリエステル系と、アクリル系の素材がありますが、ポリエステル系は黄ばみやすく汚れもやや落ちにくいので、キッチン天板には向いていません。

加工のしやすい点からも、水回りにはアクリル系の人工大理石をお勧めします。

 

 

●ガラス


 

什器で使われるガラスは、テーブル天板や商品を陳列する壁面什器、ショーケースなどでよく見かけます。

店舗什器として、安全性を考慮した様々な規格のガラス受け金物製品があるので、店舗のレイアウトに合わせて組み合わせを変えていくことになります。

店舗のデザイン性と陳列する商品の内容とを照らし合わせて選択していくことになります。

 

 

●椅子生地


 

 

ソファーやスツールの座面・背面に使う椅子生地も、各メーカーから豊富な色・柄が出ています。素材は大きく分けて3種あります。ひとつは布地(ファブリック)、ひとつは合成皮革(人工皮革・ビニールレザー)、そして天然皮革(本革)です。

 

[布地(ファブリック)]は、化学繊維や天然素材を使った生地で、ふわっとしたもの、凹凸のあるものからキャンバス生地のような手触りのものまで、色柄ともに多種多様です。布地なので風合いがよいのが良いところですが、一般的に汚れやこすれなどへの耐久性は、ビニールレザー系に比べてやや低くなります。(生地の中にはウォッシャブル対応のものもあります)

 

[合成皮革(ビニールレザー)]は、PVC(ポリ塩化ビニル)やPU(ポリウレタン)の2種類があります。加工や着色がしやすいため、多彩な色・柄があります。本革に似せた生地もあり、手頃な価格で本革風な質感を楽しめます。

布地や本革に比べると、吸湿性・通気性が劣りますが、汚れ・水に強い点や、耐薬品性・耐アルコール等様々な性能のあるものもあり手入れしやすいのが特徴です。

 

[天然皮革(本革)]は、なんと言ってもその高級感と手触り、経年変化によって味わいが増すのが良いところです。また耐久性もよく、通気性・吸湿性にも優れています。ただし、デリケートな素材のため、水分や汗・汚れなどから守るため、メンテナンスを日頃から丁寧に行う必要があります。また、高価なので製作時の費用が他素材よりもかかってきます。

 

 

■まとめ

 

オリジナル什器について、実際に設計・製作にあたっては、詳しくはまだまだ書ききれないほど、いろいろなポイントがあります。

株式会社ディックは、店舗の設計と合わせてワンストップで什器の設計・施工も行っています。

トータルな店舗設計がスピーディに行えますので、興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。お客様の店舗つくりを真摯にサポートしてまいります。

 

 

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