2018.03.05 [ コラム ]
コラム10:壊せる?壊せない?
今回は「壁」のお話です。
リフォームやリノベーションで間取りを変えよう!となったら、当然壊さなければならない壁が出てきます。
戸建ての在来工法(柱で建物の構造を支えている建て方)であれば、建物の支えとなる柱さえ残せば、比較的自由に壁を壊すことができます。
ところがマンションの場合、壊せる壁と壊せない壁があるのです。
壊せる壁は「間仕切壁」と呼ばれるもので、主に軽量鉄骨か木製の細い柱(間柱)を立てた両側に、石膏ボード(別名:プラスターボード、PBと略すことも)を張っています。この下地に壁紙クロスを貼って仕上げたものが一般的な間仕切壁です。
(余談:ディックの施工物件の中には、防水の為にブロックを途中まで立ち上げた間仕切壁もありましたが、これは壊す時に振動や音が大きくて、結構大変でした。)
間仕切壁はマンションの構造を支えているわけではないので、壊しても大きな問題はないのです。
一方、このマンションを支える構造体としての壁は「耐力壁」と言って、壊すとマンション自体の重さなどの垂直荷重や、地震や風圧などの横揺れに対する水平荷重に耐えられなくなり、耐震性にも問題が出るので基本的に壊せません。
また外部に面した壁は、状況によってはエアコン配管のための穴をあけたくなりますが、ここが例えば耐力壁でなくても、マンション共用部にあたるので、専有部分所有者が勝手に穴をあけたり改修することは基本的にダメなのです。
(配管の穴を新たに空ける「コア抜き」については、次回コラムにてお伝えします。)
壊せる壁なのか、壊せない壁なのかを見極めるのは、私たち施工業者でもぱっと見た目ではわかりません。
普通の間仕切壁なら薄いボード下地なので、コンコンと叩いてみて壁の響きを確認すればわかるのですが…。
マンションの工法によって、耐力壁がどのくらい必要かが異なるので、一概にこれは耐力壁、と言えず現地で確認していくしかありません。
場合によっては、実際に一部の壁を壊してみて、中の構造を確認してからでないと判断がつかないこともあるのです。
お客様がお住まいの物件をリフォームしようとする際や、購入物件をリフォーム・リノベーションする場合は、初期の段階からご相談いただければ、これらの壁の判断もつきやすいです。
せっかく最初に描いていた間取りの構想を、えーっ、ここ変えられないの~っ、とがっかりすることが減らせるかもしれません。
マンションのリフォーム・リノベーションは構造上の制約が出てくることも多いのですが、戸建てにはないメリットも多いです。
コラム4:中古マンションのリノベのメリット・デメリット1
コラム5:中古マンションのリノベのメリット・デメリット2
私たちディックは、この制約を熟知した上でのリノベーションを行ってきましたので、「こんな小さな工事だけど」なんて気にせず、どんなことでもご相談くださいね。
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